2010年11月30日

無料相談で鴨集め

「過払い」で検索してみて下さい。
金に目のくらんだ弁護士の無料相談と称するサイトがうようよヒットする。

無料ということで客を釣る、無料サンプル、無料相談、景品などなど、集客手段としてだけではなく、このやり方は社会心理学的にも効果が実証されている。
返報性とかいうらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%94%E5%A0%B1%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%8E%9F%E7%90%86

この返報性はマインドコントロールの重要な一手段でもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB

弁護士は、この手がお好きなようで、弁護士個人がやっているだけじゃない、弁護士団体もやっている。
それも頻繁に。
これなどよく目にするその一例でしょう。

医療過誤の無料電話相談 第二東京弁護士会
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/29/128980/
-----(ここから引用)-----
 第二東京弁護士会は、無料で電話相談に応じる「医療過誤・薬害110番」を12月1日に実施する。

 当日は医療問題に精通した弁護士12人が交代で電話に出る。利用者の負担は電話料金のみで、東京都以外からの相談も受け付ける。

 同会の内山知子(うちやま・ともこ)弁護士は「医療崩壊という言葉がよく聞かれる一方で、患者の被害救済が置いてけぼりにされているのではないか。病院の対応で不審に思うことがあれば相談してほしい」と呼び掛けた。

 相談の受付時間は午前10時から午後4時、電話03(3504)8670まで。必要があると判断した相談者とは8日に都内で直接面談する。
-----(引用、終わり)-----

なんだかなぁ、ちっとは恥ずかしいと思わないのだろうか?

いや、思うわけないか。
自分たちは弱者の味方をしている、悪漢で強者であるとみなされている病院や医者にいじめられた患者を助けているんだ、それで少し金を受け取ろうとどこが悪い、正当な代金じゃないかと。それに、これは「無料」だよと。
この手の者達なら、当然、こう思い込んでいるだろうというのは、すぐ分かることではある。
ラベル:生活 独り言 医療
posted by machiisha at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月19日

自然教カルトを礼賛する新聞

自然分娩とか称する野良妊娠をマスコミは持ち上げている。
化学肥料を使わないとか農薬を使わないとかいうのと同じ感覚なんでしょう。これが高じてくると、医薬品を使わないとかワクチンを打たないとかいうのになってくる。そして妊娠、出産という人の一生の中で非常に危険な時期を、過去、人が血のにじむ努力で獲得してきた産科学、産科医療の成果を拒否し、江戸時代さながらの原始的な分娩を強行する者達が出てくる。それを自然だと思い違いして、自然分娩だと称していい気になっている。

この手の者達はカルトと言うしかない。自然教というカルト教団の信者。

カルト信者にはご勝手にと言うしかないので、この手の自然教信者にも同様の相手をするしかないが、この手の者達の問題は最後の最後になって一般社会の保護を頼ろうとすることです。特に周産期医療のように、そのリソースがギリギリで産科医療のスタッフの努力でなんとか維持できているようなものは、大切に使わないといけない。使わないでいいように、妊婦検診を受けて予防し、また使わざるを得ない時も、危険が予想される時にそのスタッフを予め確保しておいてその場合に備える。

ところが、この手の自己満足に酔ったカルト信者を礼賛するマスコミが、まだいる。

医師・助産師頼らず自宅出産 朝来の大森さん夫婦
http://mytown.asahi.com/areanews/hyogo/OSK201011160141.html
-----(ここから引用)-----
 朝来市和田山町の山あいにある朝日地区で、農業や養蜂などを営みながら自給自足の生活を実践している大森げんさん(29)、梨紗子さん(30)夫婦に10月、三男かやちゃんが生まれた。妊娠の確認以外は医師にも助産師にも頼らず、定期的な妊婦検診も一度も受けなかった完全な自宅出産。17日に産後1カ月を迎えるが、母子ともに健康だ。

 かやちゃんの誕生は10月17日午後11時ごろ。同6時ごろから陣痛が始まり、本格的に産む体勢を取り始めて3時間ほどで生まれた。「産むのは3人でもういいわ、と思うほど痛みはあったけれど、スムーズでした」と梨紗子さん。

 長男つくし君(6)を助産院で、次男すぎな君(3)を病院で産み、毎月の妊婦検診などで自分の思いとは違う出産になった経験から、「私がリラックスできたら赤ん坊にもストレスのないお産になる。体重を増やさないなど妊娠中の自己管理さえできれば家族だけで産める」と言い切る。

 大森家の田畑は農薬や化学肥料を使わず、耕しもしない自然農法。煮炊き、風呂、暖房の燃料はまき、食事は玄米に菜食が中心だ。できるだけ自然の恵みをそのまま生かす生活だ。梨紗子さんは出産直前まで田畑や家の周りの草刈り、まき割りを無理のない範囲で普段通りこなした。「山で百姓をしていると、どんどん不自然なことはしたくなくなる。自然の力で暮らしてきたからこそ自宅出産をやり通す力が私にあった」と話す。

 夫のげんさんは「適切な出産方法を選ばずに最悪の結果になれば罪に問われるのかなと思ったこともあるが、出産に向けてきちんと準備をしているので大丈夫と思えるようになった。信じてあげることが大事です」と言い、家族の理解と協力の大切さを強調する。

 母子保健を担当する朝来市の担当者は、妊娠中の適切な健康管理や異常分娩(ぶんべん)のリスクに備えるためにも、産科での受診や妊婦検診は欠かせないとしている。大森さん夫婦にも受診を勧めていたが、自宅出産の意思が固いことから様子を見守っていたという。

 梨紗子さんも「本当に家で産みたいと望み、自己管理のできる人でないと危険です」と、安易な気持ちでの自宅出産を戒める。一方で、「家で産みたい人が家で産むことができ、何かあったらサポートできるような環境があったらいいな」とも願っている。
-----(引用、終わり)-----

ホント、勝手なことを言っていると思う。「母子ともに健康」だったのは運が良かったに過ぎない。それを感謝するのはいいことだし、良かったねで終わり。
しかし、「何かあったらサポートしてもらう」などということを自然教信者に言う資格はない。
サポートを受けるつもりなら、最初から受けろと。それがサポートを受ける者達の義務だし、ほとんどの者はその義務をきちんと果たしてからサポートを受けている。
それを、義務も果たさず、好き勝手なことをやっていい気になっている。

何かあってもサポートなど受けるな!
そのサポートを受ける資格を、あなたたちは自ら放棄しているのだ!
危険なことをやるのは勝手だ、しかし周りを巻き込む権利はない。危険なことをやるなら、最後までやり続けろ(つまり死ぬまでということ)。それが危険なことを強行した者の責任というものだ。

この手の利己的なカルト信者を見ると、私は強い怒りを覚える。
そして、この手の記事を書いているマスコミの無知にも。
posted by machiisha at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月08日

医療に謝罪すべきことない!

よく言った!

インフル集団感染死「医療に謝罪すべき事ない」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101107-OYT1T00603.htm
-----(ここから引用)-----
 インフルエンザの集団感染で入院患者6人が死亡した秋田県北秋田市の医療法人社団博愛会「鷹巣病院」は7日、記者会見を開き、同会の韓明基理事長(47)は院内感染を認め、要因について「精神科の閉鎖病棟であることが考えられる。潜伏期間の患者が食堂に集まり、広がった可能性もある」と述べた。

 また、「医療に関して謝罪すべき事はない」との見解を示した。

 鷹巣病院の病棟はH型に四つあり、中心に食堂がある。韓理事長によると、職員3人と入院患者1人に10月27日に発熱などの症状がみられたため、職員3人を出勤停止とし、発症した患者と同じ病棟の入院患者は別の3病棟に移した。しかし、移動先でも感染が拡大。発症者は31日に職員を含め50人に達した。その時点では「重症者がおらず、抑えていけると思った」という。
(2010年11月7日21時42分 読売新聞)
-----(引用、終わり)-----

そもそも記者会見などすることもなかったのです。
それを、しないことをさも悪いことかのように報道しているところもある。いったい何様もつもりなのか、いつものマスコミの傍若無人ぶりがよく分かる記事がこれ。
なぜ集団感染、病院側は「沈黙」 インフル6人死亡
http://mytown.asahi.com/areanews/akita/TKY201011060335.html
-----(ここから引用)-----
 北秋田市綴子の医療法人社団博愛会・鷹巣病院で入院患者らにインフルエンザが広まり、49人が集団感染、お年寄り6人が亡くなった。院内の感染対策はどうなっていたのか。県が発表した6日、病院側は「責任者不在」を理由に経緯を明らかにしなかった。

 県によると、10月31日に80代男性が、今月2日には90代と60代の男性、70代女性の計3人が死亡。さらに4日に80代女性、5日に80代男性が相次いで亡くなったという。

 国道7号沿いの鷹巣病院には6日夕、報道関係者が詰めかけ、病院側に説明を求めようとした。中に職員らがいるものの、インターホンにはほとんど答えず、電話にも出ない状態が続いた。外からは、看護師とみられる人たちが廊下を行ったり来たりする姿が確認された。しかし、声をかけても反応はなかった。病院関係者とみられる人に問いかけたが足早に去った。

 午後6時45分ごろ、病院職員からの依頼を受けて警察官が巡回に訪れた。病院内に入った警察官は、職員の話として「今日は責任者がいないので対応できない。明日朝には、院長が出てくるので、話を聞いてほしい」と報道陣に伝えた。

 鷹巣病院のホームページによると、同病院は1967年の開設。精神科のほか、心療内科と内科があり、144床を備える。

 患者1人の検体を検査した結果、季節性のA香港型と確認された。県は6日、担当の職員らが集まり、対応に追われた。健康推進課によると、インフルエンザは感染力が強いため、窓を開けておいただけでウイルスが入ってくることがあるという。今回の集団感染の理由を特定することは難しいが、見舞いに訪れた人や職員らによってウイルスが持ち込まれた可能性があるという。

 インフルエンザの院内感染を巡っては2009年1月、東京都町田市の「鶴川サナトリウム病院」で、患者と職員118人がインフルエンザに集団感染し、77~100歳の患者3人が死亡した。

 同年1月、茨城県古河市の「小柳病院」でも患者と職員18人がインフルエンザに集団感染し、60代の患者1人が死亡している。
-----(引用、終わり)-----

報道関係者が詰めかけ、病院側に説明を求めようとした。」って、なにですか?
例のあれですよ、あれ。
メディアスクラム。
集団感染がおこりその対処に追われているところに、この手のマスコミが集団で押し掛けて来る。迷惑以外の何物でもない。
で、警察を呼んだんでしょう。
病院職員からの依頼を受けて警察官が巡回に訪れた。

担当の役所に報告し、そこの助言などを受けながらできることをやっていく。
この病院はちゃんとやっているようで、マスコミはその妨害をしているだけだ。
もちろん、完璧などということはあり得ない。後で専門家(末端の現場では担当役所ということになるんでしょうが)の指導を受けながら改善して行く。

マスコミウォッチを専門家の立場から検証したブログを紹介。
感染症診療の原則さんのところの今回のインフルエンザ報道ウォッチシリーズ。
是非、全部読んで下さい。
>特にマスコミ関係者!!

感染症の記事比較:old mediaのインフルエンザ報道
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/ec5768bcad5f59f4c34b7243d2618658
街場のインフル報道 つづき
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/a9e4d8eaff68def3c1a75afd9188011a
posted by machiisha at 10:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする