2010年11月08日

医療に謝罪すべきことない!

よく言った!

インフル集団感染死「医療に謝罪すべき事ない」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101107-OYT1T00603.htm
-----(ここから引用)-----
 インフルエンザの集団感染で入院患者6人が死亡した秋田県北秋田市の医療法人社団博愛会「鷹巣病院」は7日、記者会見を開き、同会の韓明基理事長(47)は院内感染を認め、要因について「精神科の閉鎖病棟であることが考えられる。潜伏期間の患者が食堂に集まり、広がった可能性もある」と述べた。

 また、「医療に関して謝罪すべき事はない」との見解を示した。

 鷹巣病院の病棟はH型に四つあり、中心に食堂がある。韓理事長によると、職員3人と入院患者1人に10月27日に発熱などの症状がみられたため、職員3人を出勤停止とし、発症した患者と同じ病棟の入院患者は別の3病棟に移した。しかし、移動先でも感染が拡大。発症者は31日に職員を含め50人に達した。その時点では「重症者がおらず、抑えていけると思った」という。
(2010年11月7日21時42分 読売新聞)
-----(引用、終わり)-----

そもそも記者会見などすることもなかったのです。
それを、しないことをさも悪いことかのように報道しているところもある。いったい何様もつもりなのか、いつものマスコミの傍若無人ぶりがよく分かる記事がこれ。
なぜ集団感染、病院側は「沈黙」 インフル6人死亡
http://mytown.asahi.com/areanews/akita/TKY201011060335.html
-----(ここから引用)-----
 北秋田市綴子の医療法人社団博愛会・鷹巣病院で入院患者らにインフルエンザが広まり、49人が集団感染、お年寄り6人が亡くなった。院内の感染対策はどうなっていたのか。県が発表した6日、病院側は「責任者不在」を理由に経緯を明らかにしなかった。

 県によると、10月31日に80代男性が、今月2日には90代と60代の男性、70代女性の計3人が死亡。さらに4日に80代女性、5日に80代男性が相次いで亡くなったという。

 国道7号沿いの鷹巣病院には6日夕、報道関係者が詰めかけ、病院側に説明を求めようとした。中に職員らがいるものの、インターホンにはほとんど答えず、電話にも出ない状態が続いた。外からは、看護師とみられる人たちが廊下を行ったり来たりする姿が確認された。しかし、声をかけても反応はなかった。病院関係者とみられる人に問いかけたが足早に去った。

 午後6時45分ごろ、病院職員からの依頼を受けて警察官が巡回に訪れた。病院内に入った警察官は、職員の話として「今日は責任者がいないので対応できない。明日朝には、院長が出てくるので、話を聞いてほしい」と報道陣に伝えた。

 鷹巣病院のホームページによると、同病院は1967年の開設。精神科のほか、心療内科と内科があり、144床を備える。

 患者1人の検体を検査した結果、季節性のA香港型と確認された。県は6日、担当の職員らが集まり、対応に追われた。健康推進課によると、インフルエンザは感染力が強いため、窓を開けておいただけでウイルスが入ってくることがあるという。今回の集団感染の理由を特定することは難しいが、見舞いに訪れた人や職員らによってウイルスが持ち込まれた可能性があるという。

 インフルエンザの院内感染を巡っては2009年1月、東京都町田市の「鶴川サナトリウム病院」で、患者と職員118人がインフルエンザに集団感染し、77~100歳の患者3人が死亡した。

 同年1月、茨城県古河市の「小柳病院」でも患者と職員18人がインフルエンザに集団感染し、60代の患者1人が死亡している。
-----(引用、終わり)-----

報道関係者が詰めかけ、病院側に説明を求めようとした。」って、なにですか?
例のあれですよ、あれ。
メディアスクラム。
集団感染がおこりその対処に追われているところに、この手のマスコミが集団で押し掛けて来る。迷惑以外の何物でもない。
で、警察を呼んだんでしょう。
病院職員からの依頼を受けて警察官が巡回に訪れた。

担当の役所に報告し、そこの助言などを受けながらできることをやっていく。
この病院はちゃんとやっているようで、マスコミはその妨害をしているだけだ。
もちろん、完璧などということはあり得ない。後で専門家(末端の現場では担当役所ということになるんでしょうが)の指導を受けながら改善して行く。

マスコミウォッチを専門家の立場から検証したブログを紹介。
感染症診療の原則さんのところの今回のインフルエンザ報道ウォッチシリーズ。
是非、全部読んで下さい。
>特にマスコミ関係者!!

感染症の記事比較:old mediaのインフルエンザ報道
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/ec5768bcad5f59f4c34b7243d2618658
街場のインフル報道 つづき
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/a9e4d8eaff68def3c1a75afd9188011a
posted by machiisha at 10:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月28日

珊瑚事件ふたたび(その6)

朝日新聞に対する抗議の署名活動が始まった。
ロハスメディカルブログのその紹介記事。
ついに署名活動開始
http://lohasmedical.jp/blog/2010/10/post_2379.php
-----(ここから引用)-----
朝日新聞の東大医科研ペプチドワクチン報道に対して、ついに医師らによる抗議の署名活動が始まってしまいました。
福島県立大野病院事件の時も似たようなことがあったなあと思います。
今になってみると、あれ以来、検察の権威は落ちる一方ですね。
朝日新聞が同じ末路を辿らないことを元社員としては祈るのみです。
-----(引用、終わり)-----

MRICから「署名のお願い」のメールも来ていたので、私も署名しておきました。
そのホームページがここ。
http://iryohodo.umin.jp/
関連情報など、既に多量の情報が集まっている。インターネットの特徴で、ソースにリンクしてあるので、すぐ元情報を見ることができる。
朝日の記事は消えることを見越してでしょう魚拓になもなっている。
関連情報ページ

ただ、私はこういう署名活動もいいとは思うのですが、それ以上にしないといけないのは訴訟だと考えます。
裁判で得られるものは少ない。賠償金、慰謝料などたかがしれているし、訂正記事命令を出させても小さな、どこにあるのか分からないような記事にしかならない。
でも、やるべきだ。

私も、この事件のまとめをしておきます。
ただし、他人のふんどしでとらしてもらいますのでご容赦を。

この捏造事件の経過が一番分かりやすいのは、Yoshan先生のブログと思う。
2010-10-25 例の朝日記事検証
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20101025
2010-10-26 続・例の朝日記事検証
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20101026

全部読んで欲しいのですが、特に続の方にある「ここまでで判明した事実関係を改めて整理しておきます」とある、朝日の記事と東大医研側の反論を対比させたテーブルだけでも見て下さい。
これで事実関係が一目瞭然となる。
朝日がいかに事実を曲げて報じているか、そして都合良く切り貼りしたかが分かる。

そして、切り貼りして、事実をねじ曲げた一番悪質なものがあの「がん患者団体有志一同」の「がん臨床研究の適切な推進に関する声明文」の朝日の記事。
私も「その4」で書いていますが、新聞というのはここまでやるのかとあきれるしかない。
珊瑚事件ふたたび(その4)

声明文に名を連ねている「特定非営利活動法人パンキャンジャパン」のホームページには、その朝日が削除した部分をわざわざ赤に強調しています。
10月20日の「がん患者団体記者会見」 報告
http://blogs.yahoo.co.jp/pancanjapan2006/folder/556422.html

朝日は未だなんの反論もしていない。
あの「がん関連二学会からの抗議声明」に対しても、小さな記事でその事実だけを報じ、そして「朝日新聞社広報部の話 記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、医科研病院の事例を通じて指摘したものです。抗議声明はどの点が「大きな事実誤認」か具体的に言及していませんが、記事は確かな取材に基づくものです。」としているだけです。
どの点が「大きな事実誤認」か具体的に言及していないのは、この二学会が東大医研側の主張に全面的に賛同しているということであり、それゆえ朝日は、東大医研側の具体的な「大きな事実誤認」の指摘に答えないといけない。「記事は確かな取材に基づくものです」などというのは反論になっていない。

「朝日新聞社広報部の話 記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、医科研病院の事例を通じて指摘したものです」という書き方で思い浮かぶのは、あの大淀病院事件で毎日新聞がやったやり方です。
最初「意識不明、6時間“放置” 妊婦転送で奈良18病院、受け入れ拒否 脳内出血死亡」と大きく報じ、担当医や病院をたたきまくったくせに、報道のおかしさを非難されだすと周産期医療の問題点を指摘するのが目的だったのだなんだのと言いだした。

マスコミの卑怯さ、見苦しさがよく出ていると思う。

最後に、私がいいと思ったサイトをいくつか。
楽園のこちら側
スタティックな
ブックマークにいれているサイトの一つです。この朝日の記事への二学会の抗議声明について感想を書かれている。私も全く同感です。
「インターネット以前には、マスメディアの言葉の暴力に僕らはあまりにも無力であった。しかし、いまはホームページ上で、ブログも含めてどんな個人でもファイトバックできる。」
その通りと思う。
そして、こうも言われている。
-----(ここから引用)-----
 僕はもう「記者会見」はしなくてよいと思っている。情報公開は施設のHPからやればよい。記者会見はジャーナリストのために行うので、施設のためには行われない。当たり前だ。適切な情報の伝播を記者会見は保証しない。僕らは何度あの定型的な頭を下げてフラッシュライトが飛び交う記者会見の映像と、そこから醸し出す「悪いことをした奴ら」のイメージに振り回されてきたことだろう。記者会見はやるのが当然、という常識をまず疑うべきだ。しなければならない根拠は、よくよく考えてみると、実に希薄なのである。「今の世の中こうなっている」という「物知り」の言うことを聞いてはならない。彼は決して未来のあるべき姿を教えてくれないのだから。
-----(引用、終わり)-----

記者会見などしても、マスコミがどう報道するか、今回のことでもよく分かったじゃないですか。
がん患者団体の声明文の例を見たら、よく分かるじゃないですか。

スラッシュ・ドット
朝日新聞のがんペプチドワクチン被験者出血報道に関する騒動まとめ
医系だけじゃない理系の人達の考えが分かる。

膵臓がんサバイバーへの挑戦
患者よ 混合診療解禁の口車に乗せられるな!

この朝日の報道が影響したかどうか分かりませんが、がんペプチドワクチンの研究予算、C評価になったようです。
http://www8.cao.go.jp/cstp/budget/yusendo_h23/kekka/02-02li1.pdf
-----(ここから引用)-----
【原案】
○ペプチドワクチンのみでなく低分子化合物の開発も進むと良
い。ペプチドワクチンの有効性は十分に検証されているのか明
確にしていくべき。
○がんペプチドワクチンの第Ⅲ相に国費を使うのではなく、企
業との協同で行うべきである。がん幹細胞、早期診断について
はしっかりと実施すべき。
○縮小し、更に第Ⅱ相の前半を小規模に試みるのが良い。
【最終決定】
原案のとおり
-----(引用、終わり)-----

この分野のトップランナー、そして朝日新聞によって不当な扱いを受けた中村先生のインタビュー記事。
ただし、2010年2月1日のものですから、この朝日新聞の捏造事件とは無関係。それだけにこの研究の困難さ、そしてそれを実際に臨床現場に使えるまでに育てるまで、どれほどの紆余曲折があるのかというのがよく理解できる。
中村 祐輔 氏「オーダーメイドがん治療目指し」
http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview48/02.html
-----(ここから引用)-----
- 相当大がかりなプロジェクトになっているかと思いますが、どういう予算がついたんですか。

それぞれの協力者に予算はありません。みんな手弁当です。われわれは自分たちが持っている研究費を使ってやっていますけれども、各大学の先生は皆さん手弁当です。何とかもっと大がかりにやりたいと思って、昨年、補正予算で発足した最先端研究開発支援プログラム(注1)に応募しましたけれども、エビデンスが十分でないという理由でけられました。エビデンスを検証するため行うのが研究開発であり、そのために、データをとるのですが…。多分これが治療薬に一番近かったのに、と思っています。医薬品の輸入超過が8,000億円に到達しつつある中、この国の国家戦略のなさは目を覆うばかりです。
-----(引用、終わり)-----

朝日の罪の深さ、、、
朝日は、赤ん坊を踏み殺したのかもしれない。
posted by machiisha at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月24日

珊瑚事件ふたたび(その5)

この捏造記事、思っていた以上に奥が深い、それも闇が深いかもしれない。
インターネット・サーフィンやっていたら上先生の記事に行き当たった。
朝日新聞 東大医科研がんワクチン事件報道を考える
http://opinion.infoseek.co.jp/article/1072

全部読んで欲しいのですが(朝日の記事の、その事実誤認、曲解ぶりがよく理解できる)、その中で私が特に興味を惹かれたのは、朝日新聞はなぜ10月15日に記事を出したのかという問題提起です。
その部分だけ引用しておきます。
-----(ここから引用)-----
【なぜ、10月15日だったのか?】

 今回の朝日新聞の記事は、そのセンセーショナルな内容以上に、理解に苦しむことがあります。それは、なぜ、この記事が10月15日に、一面トップ、社会面の多くを占めたのかという点です。他紙がチリの救出劇を大きく取り上げているのとは対照的でした。出河記者たちは長期間にわたって取材を続けていたことが知られており、発表の機会はいくらでもあった筈です。

 実は、翌週に控える政府の政策コンテストで、がん治療ワクチン研究への予算要求が審査されます。今回の報道は、この審査に大きく影響することは確実です。がん治療ワクチンの開発が遅れることは、多くの患者にとり不幸です。

 しかしながら、がん治療ワクチンが導入されることで、困る人たちも大勢います。それは、科学的に有効性が証明されていない治療で商売をしている人たちです。がんワクチンの登場は、「終末期患者ビジネス」を生業としている人には脅威です。

 ちなみに、朝日新聞には、このようなビジネスの広告がしばしば掲載されます。出河記者が意図したか否かはわかりませんが、今回の記事は「終末期患者ビジネス」の営業を後押しする結果になるでしょう。そもそも、朝日新聞のような一流紙が、「科学的に根拠がない」と考えられている治療の広告を掲載することには違和感を抱きます。
-----(引用、終わり)-----

チリ落盤事故の救出劇、これはテレビニュースでもトップに、それも長時間放送されるほど、それほど大衆の興味を引く大ニュースでした。新聞各紙(朝日以外)が大きく取り上げるのは当然のことです。にもかかわらず、なぜ朝日だけがこの「がんワクチン事件」をそれを押しのけて一面トップに持ってきたのでしょう?
言われてみれば、確かに、おかしい。

利益相反問題に答えなければならないのは中村教授の方じゃない、朝日新聞の方だ。

トンデモ療法やそのバイブル本の広告収入は新聞紙面やテレビ画面を見ればその多さに驚く。
さらに、効果のほども定かでない健康食品まで含めたら、そこから得ている収入はマスコミの屋台骨を支えているかもしれない。一方、きちんとした医薬品からの広告収入などたかがしれている。
毎日新聞が製薬企業からの広告収入が減ろうが倒産していないように、他の新聞社やテレビ、雑誌業界も倒れるようなことはない。しかし、トンデモ療法や健康食品業界からの広告がなくなったら、まず確実に倒産することでしょう。
そういう現実を前にしたら、どっちの片棒を担ごうとするかは明かです。

利益相反問題に答える義務があるのは朝日新聞の方だ。
posted by machiisha at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする