朝日新聞に対する抗議の署名活動が始まった。
ロハスメディカルブログのその紹介記事。
ついに署名活動開始
http://lohasmedical.jp/blog/2010/10/post_2379.php
-----(ここから引用)-----
朝日新聞の東大医科研ペプチドワクチン報道に対して、ついに医師らによる抗議の署名活動が始まってしまいました。
福島県立大野病院事件の時も似たようなことがあったなあと思います。
今になってみると、あれ以来、検察の権威は落ちる一方ですね。
朝日新聞が同じ末路を辿らないことを元社員としては祈るのみです。
-----(引用、終わり)-----
MRICから「署名のお願い」のメールも来ていたので、私も署名しておきました。
そのホームページがここ。
http://iryohodo.umin.jp/
関連情報など、既に多量の情報が集まっている。インターネットの特徴で、ソースにリンクしてあるので、すぐ元情報を見ることができる。
朝日の記事は消えることを見越してでしょう魚拓になもなっている。
関連情報ページ
ただ、私はこういう署名活動もいいとは思うのですが、それ以上にしないといけないのは訴訟だと考えます。
裁判で得られるものは少ない。賠償金、慰謝料などたかがしれているし、訂正記事命令を出させても小さな、どこにあるのか分からないような記事にしかならない。
でも、やるべきだ。
私も、この事件のまとめをしておきます。
ただし、他人のふんどしでとらしてもらいますのでご容赦を。
この捏造事件の経過が一番分かりやすいのは、Yoshan先生のブログと思う。
2010-10-25 例の朝日記事検証
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20101025
2010-10-26 続・例の朝日記事検証
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20101026
全部読んで欲しいのですが、特に続の方にある「ここまでで判明した事実関係を改めて整理しておきます」とある、朝日の記事と東大医研側の反論を対比させたテーブルだけでも見て下さい。
これで事実関係が一目瞭然となる。
朝日がいかに事実を曲げて報じているか、そして都合良く切り貼りしたかが分かる。
そして、切り貼りして、事実をねじ曲げた一番悪質なものがあの「がん患者団体有志一同」の「がん臨床研究の適切な推進に関する声明文」の朝日の記事。
私も「その4」で書いていますが、新聞というのはここまでやるのかとあきれるしかない。
珊瑚事件ふたたび(その4)
声明文に名を連ねている「特定非営利活動法人パンキャンジャパン」のホームページには、その朝日が削除した部分をわざわざ赤に強調しています。
10月20日の「がん患者団体記者会見」 報告
http://blogs.yahoo.co.jp/pancanjapan2006/folder/556422.html
朝日は未だなんの反論もしていない。
あの「がん関連二学会からの抗議声明」に対しても、小さな記事でその事実だけを報じ、そして「朝日新聞社広報部の話 記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、医科研病院の事例を通じて指摘したものです。抗議声明はどの点が「大きな事実誤認」か具体的に言及していませんが、記事は確かな取材に基づくものです。」としているだけです。
どの点が「大きな事実誤認」か具体的に言及していないのは、この二学会が東大医研側の主張に全面的に賛同しているということであり、それゆえ朝日は、東大医研側の具体的な「大きな事実誤認」の指摘に答えないといけない。「記事は確かな取材に基づくものです」などというのは反論になっていない。
「朝日新聞社広報部の話 記事は、薬事法の規制を受けない臨床試験には被験者保護の観点から問題があることを、医科研病院の事例を通じて指摘したものです」という書き方で思い浮かぶのは、あの大淀病院事件で毎日新聞がやったやり方です。
最初「意識不明、6時間“放置” 妊婦転送で奈良18病院、受け入れ拒否 脳内出血死亡」と大きく報じ、担当医や病院をたたきまくったくせに、報道のおかしさを非難されだすと周産期医療の問題点を指摘するのが目的だったのだなんだのと言いだした。
マスコミの卑怯さ、見苦しさがよく出ていると思う。
最後に、私がいいと思ったサイトをいくつか。
楽園のこちら側
スタティックな
ブックマークにいれているサイトの一つです。この朝日の記事への二学会の抗議声明について感想を書かれている。私も全く同感です。
「インターネット以前には、マスメディアの言葉の暴力に僕らはあまりにも無力であった。しかし、いまはホームページ上で、ブログも含めてどんな個人でもファイトバックできる。」
その通りと思う。
そして、こうも言われている。
-----(ここから引用)-----
僕はもう「記者会見」はしなくてよいと思っている。情報公開は施設のHPからやればよい。記者会見はジャーナリストのために行うので、施設のためには行われない。当たり前だ。適切な情報の伝播を記者会見は保証しない。僕らは何度あの定型的な頭を下げてフラッシュライトが飛び交う記者会見の映像と、そこから醸し出す「悪いことをした奴ら」のイメージに振り回されてきたことだろう。記者会見はやるのが当然、という常識をまず疑うべきだ。しなければならない根拠は、よくよく考えてみると、実に希薄なのである。「今の世の中こうなっている」という「物知り」の言うことを聞いてはならない。彼は決して未来のあるべき姿を教えてくれないのだから。
-----(引用、終わり)-----
記者会見などしても、マスコミがどう報道するか、今回のことでもよく分かったじゃないですか。
がん患者団体の声明文の例を見たら、よく分かるじゃないですか。
スラッシュ・ドット
朝日新聞のがんペプチドワクチン被験者出血報道に関する騒動まとめ
医系だけじゃない理系の人達の考えが分かる。
膵臓がんサバイバーへの挑戦
患者よ 混合診療解禁の口車に乗せられるな!
この朝日の報道が影響したかどうか分かりませんが、がんペプチドワクチンの研究予算、C評価になったようです。
http://www8.cao.go.jp/cstp/budget/yusendo_h23/kekka/02-02li1.pdf
-----(ここから引用)-----
【原案】
○ペプチドワクチンのみでなく低分子化合物の開発も進むと良
い。ペプチドワクチンの有効性は十分に検証されているのか明
確にしていくべき。
○がんペプチドワクチンの第Ⅲ相に国費を使うのではなく、企
業との協同で行うべきである。がん幹細胞、早期診断について
はしっかりと実施すべき。
○縮小し、更に第Ⅱ相の前半を小規模に試みるのが良い。
【最終決定】
原案のとおり
-----(引用、終わり)-----
この分野のトップランナー、そして朝日新聞によって不当な扱いを受けた中村先生のインタビュー記事。
ただし、2010年2月1日のものですから、この朝日新聞の捏造事件とは無関係。それだけにこの研究の困難さ、そしてそれを実際に臨床現場に使えるまでに育てるまで、どれほどの紆余曲折があるのかというのがよく理解できる。
中村 祐輔 氏「オーダーメイドがん治療目指し」
http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview48/02.html
-----(ここから引用)-----
- 相当大がかりなプロジェクトになっているかと思いますが、どういう予算がついたんですか。
それぞれの協力者に予算はありません。みんな手弁当です。われわれは自分たちが持っている研究費を使ってやっていますけれども、各大学の先生は皆さん手弁当です。何とかもっと大がかりにやりたいと思って、昨年、補正予算で発足した最先端研究開発支援プログラム(注1)に応募しましたけれども、エビデンスが十分でないという理由でけられました。エビデンスを検証するため行うのが研究開発であり、そのために、データをとるのですが…。多分これが治療薬に一番近かったのに、と思っています。医薬品の輸入超過が8,000億円に到達しつつある中、この国の国家戦略のなさは目を覆うばかりです。
-----(引用、終わり)-----
朝日の罪の深さ、、、
朝日は、赤ん坊を踏み殺したのかもしれない。
2010年10月28日
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