これはいくらなんでもいかんでしょう。
違法行為を宣伝しているんだから。
これは、マスコミがよくやる記事を騙った広告の一つなんでしょうが(毎日新聞はこの手の記事が特に多い、それだけ業績が悪いということなんでしょう)、違法行為を新聞紙面で宣伝してどうするんだと。
この柔道整復師は違法行為をやっている可能性が高いのに、さも美談かのように記事を装って紙面に載せ、違法行為を助長するような宣伝をするとは、ほんと、毎日新聞も堕ちたものです。薬業界からの広告出稿が減ったとかで泣き言を並べていたようですし、ワラにもすがるつもりで、こういう広告記事を載せたのかな。
そうではあっても、違法行為を宣伝するってのは、いくらなんでもいかんでしょう。
柔道整復師:誰もが悩む慢性的な痛み 治癒力、高めよ /兵庫
2010年4月20日 提供:毎日新聞社
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119257/
全文引用しておこう、犯罪事実の証拠として。そして、毎日新聞がよくやる証拠隠滅への対処としても。
-----(ここから引用)-----
◇全身の筋肉ほぐし、血行良い健康血液を
人類共通の悩みの一つが、慢性的な痛み。肩こり、腰痛、手足などの痛みやむくみ……。その痛みは何年も続くことが多い。こうした痛みに立ち向かう柔道整復師の覚野寛也さん(31)は「人間には本来、自然に治癒する能力があります。治癒力を高めれば、痛みから解放されます」と力説する。治癒力を高める術とは----。【小園長治】
覚野さんが柔道整復師を志したのは高校時代。中学、高校で柔道に熱中した。高校時代は山梨県で開かれた高校総体に県代表として柔道60キロ級に出場した実力の持ち主だが、「手に職をつけ、痛みに悩んでいる人を助けたい」と高校卒業と同時に柔道整復師を養成する3年制の専門学校へ進学。
柔道整復師の国家資格を得て、山口県で修業を5年半積み、1日に40-50人の体と心をほぐしてきた。(1)この間も柔道を続け、山口県代表に選ばれ、富山国体に出場した。しかし、その語り口はソフトで、柔道の猛者というイメージからほど遠い。
覚野さんは「慢性的な肩こり、腰痛などはリンパ、血液の流れが低下し、代謝が落ちたサインです。リンパや血液の流れを統括しているのが筋肉。全身の筋肉が硬くなると、血液などの流れが低下します。逆に全身の筋肉をほぐすと流れが戻ります」と話す。
さらに「肩こりなどの痛みは病気になる一歩手前を知らせる未病の状態。それを痛みとして伝えているのです。しかし、慢性的な痛みを治らない持病と思い込んであきらめてしまう。そんな人が多いですね。私はそんな方を一人でも助けたいです」と続ける。
慢性的な痛みを抱える人の多くが、何年も同じ症状を訴える。例えば肩こり。肩のマッサージを受けると、その場では、痛みは緩和されるが、後日、再び肩こりが再発する。そしてマッサージ……。
覚野さんは「こうした痛みと緩和を繰り返す人はマッサージなどの受け方に問題があります」と指摘する。「人間には治癒力があります。全身の血行が良くなれば、治癒力も高まり、肩こりも緩んできます。肩こりは深い部分と関連しているです。体全体を見なければなりません」と話す。
また覚野さんは興味深い例を話す。「心身とも健康ならば老化は穏やかに進みます。しかし、同じ70歳でも、若く見えたり、年齢以上に見えたりします。理由は血液の健康状態。血液は健康の土台で、細胞に元気を与えます。血液の流れをマッサージなどで促して、本来の状態にすることで、老化現象を遅らせることもできます」
問い合わせはロイヤルマイスター(078・331・5075)。プロ、アマのスポーツ選手のコンディションづくり、ケアなどの相談にも応じている。
-----(引用、終わり)-----
記事に連絡先まで書いている、広告はこうでないと意味はないが、ご丁寧なことだ。
このサイトがホームページと思われます。電話番号が同じですし。
http://www.royalmeister.com/
ちょっと見ただけでも、犯罪行為をやっているのではないかと思われるところをいくつも指摘できる。例えば、医療類似行為違反、柔整師資格以外の業務違反、広告制限違反など。
生体血液画像って、ここは採血して(指先から採血しているだけだからいいとでも思っているのだろうか?)、その診断行為までやっている。
http://www.royalmeister.com/cgi-bin/royalmeister/siteup.cgi?category=2&page=0
関連法規
医師法
http://www.houko.com/00/01/S23/201.HTM
-----(ここから引用)-----
第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。
第31条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1.第17条の規定に違反した者
-----(引用、終わり)-----
医師以外の者が業として医療行為をしてはいけない。
ただし、法律に基づく資格取得者(看護師がその代表、その他、柔道整復師を含むいろいろな資格取得者、例えば放射線技師やマッサージ師などなどたくさんあるがその全てが法律で規定されている)は、医師の監督、指導下に(つまり医師の責任下に)、法律の定める範囲で医療行為を行っても良い。
そして、それぞれの資格には業務の独占といって、その資格者取得者以外の者がその業を行ってはいけない、つまりその資格取得者だけが行えるとなっている。
これが大原則。
(ただし、柔道整復師だけは、その歴史から医師の監督、指導下という原則が少し緩められている、第17条)
柔道整復師法
http://www.houko.com/00/01/S45/019.HTM
-----(ここから引用)-----
(欠格事由)
第4条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
1.心身の障害により柔道整復師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2.麻薬、大麻又はあへんの中毒者
3.罰金以上の刑に処せられた者
4.前号に該当する者を除くほか、柔道整復の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
(免許の取消し等)
第8条 柔道整復師が、第4条各号のいずれかに該当するに至つたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる。
(業務の禁止)
第15条 医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。
(外科手術、薬品投与等の禁止)
第16条 柔道整復師は、外科手術を行ない、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてははならない。
(施術の制限)
第17条 柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。
(広告の制限)
第24条 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
1.柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
2.施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
3.施術日又は施術時間
4.その他厚生労働大臣が指定する事項
《改正》平 11法160
2 前項第1号及び第2号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。
-----(引用、終わり)-----
「1日に40-50人の体と心をほぐしてきた」(1)って、この人、あんま師の資格を取っているのだろうか。もし取得していなかったら(ホームページのスタッフを見ると、どうも資格は柔整師だけのよう)、これは「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の第1条違反になる。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
http://www.houko.com/00/01/S22/217.HTM
-----(ここから引用)-----
第1条 医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
第4条 施術者は、外科手術を行い、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならない。
第5条 あん摩マッサージ指圧師は、医師の同意を得た場合の外、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。
第12条 何人も、第1条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和45年法律第19号)の定めるところによる。
-----(引用、終わり)-----
wikipediaの「柔道整復師」の項。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%94%E9%81%93%E6%95%B4%E5%BE%A9%E5%B8%AB
この中で重要と思われるところをいくつか。
-----(ここから引用)-----
柔道整復師は、その業務範囲内で自ら負傷の状態を把握し自らが施術できる疾病又は負傷であるか否か等を判断して施術を行うことができる。この点で看護師や理学療法士など、業務の開始に医師の指示が必要とされる職種と異なる。ただし、医業を行うことができるのは医師に限定されており、また、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十二条に「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。」とあり、法律上は柔道整復は医業に含まれないことになる。厚労省は柔道整復師が業として行う柔道整復を、医師が行う「診療」とは区別して「施術」と呼んでいる。医師の「初診料」に相当する用語も「初検料」と呼ばれる。
外科手術、レントゲン撮影、薬品の処方を行うことは禁止されている。湿布はこの例外として認められている。また、「医師の同意を得た場合のほか脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない」が、「応急手当をする場合は、この限りでない」とされる。
-----(引用、終わり)-----
「柔道整復術」の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%94%E9%81%93%E6%95%B4%E5%BE%A9%E8%A1%93
-----(ここから引用)-----
業務範囲
* 施術所(いわゆる「接骨院」「整骨院」)を開設できる。
* 施術所では、外傷による怪我(捻挫・打撲・挫傷・脱臼・骨折)を治癒させる施術を行うことができる。
* 外傷による怪我であっても、施術できるものは新鮮なもの(急性、亜急性)であり、陳旧性の外傷は施術できないと、厚生労働省通知がある。
* 脱臼・骨折の施術は、医師の同意がなければできない(応急手当を除く)。医師は、できれば外科医・もしくは整形外科医が好ましいと、厚生労働省通知がある。
* 業として柔道整復を行うことができるのは、医師以外には、柔道整復師に限られる。
* 柔道整復師は、外科手術、レントゲン撮影、投薬を行うことはできない。
* 日本では、医師法・歯科医師法の規定により、医師以外の者が業として医行為(医業)を行ってはならない。但し、法に規定のある業務範囲(外傷による怪我全般・・・但し非開放性のみ)で医業の補助(医業類似行為)を行なえる。また、柔道整復師は骨折と脱臼のみ、医師の同意を受けるなど法律が定める条件の下でのみ行える。
* 柔道整復師は、慰安や治療でのあん摩・マッサージ・指圧行為や慰安や治療での鍼・灸行為をする事は出来ない。(左記免許保持者は別)
o 混同されることがあるが、いわゆる整体と、柔道整復術(接骨・整復術)は、全く別のものである。
-----(引用、終わり)-----
(柔道整復師ってのは、法律で定められた立派な国家資格で、整体はそうではないという意味で「全く別のもの」だということ、これを混同してはいけないという意味です)
この施術所(法律上の正式名称で、多くが接骨院とか整骨院を名乗っている)がやっているような法律違反を犯しているところは多い。ただし、これだけ堂々とやっているところも珍しいかもしれない。
それにしても、それを記事にして、堂々と、臆面もなく紙面に載せる新聞社があるとは、驚きです。
毎日新聞の医療に対する無知、その例の一つ、それもたくさんある中の一つと言えますかね。
2010年04月21日
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