2009年04月21日

宮崎タライマワシ事件の教訓

天漢日乗さんのブログによれば、この事件、救急隊が医療機関に死亡確認をしてもらいたいがために搬送先を探していた、それがなぜか救命処置を希望しての搬送先探しをしたが「6病院が拒否」てなマスコミニュースになったということのような。

「マスコミたらい回し」とは?(その138)もし記者が取材中に倒れたとして、そばにいる他人が迅速に救命措置をすぐ取ってくれると信じているとしたら不思議
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/04/138-9953.html

「新小児科医のつぶやき」さんのところで、この天漢日乗さんのエントリーをまとめる形で時間経過などをまとめてくれている。
2009-04-21 うわぁ、辛辣
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20090421

通行人が脱輪した車を見つけた。そして119番通報した。その8分後に救急隊が現場に到着し、その脱輪している車の運転席にいた人の心肺停止状態を確認した。
つまりこれは昨日のエントリーに書いたように、医師が死亡を確認し、後は警察が事件性がないか検死したり捜査したりするという「事件」にすぎないってことです。
救命処置を求めて救急受け入れ先を必死で探すというような類の事件ではない。
まさに「タライマワシ事件」。マスコミに捏造された、あるいは救急隊の責任逃れのでっち上げかという「事件」。

それを昨日のエントリーにも書いたように、エロ写真家崩れの医療ジャーナリストを自称しているだけのど素人は、ドクターヘリがどうのとかいうようなまるでトンチンカンなこと言って、この崩壊しつつある救急体制にますます拍車をかけるようなことをする。

深呼吸停止状態で、まだ死んでいない、助かる可能性のある「仮死」であるような人を助けるには、バイスタンダーによる心肺蘇生処置が絶対に必要です。
いくら救急体制が確立されようと、一般の人達の心肺蘇生処置がなされないと救命率は上がりません。
ドクターヘリがどうのこうのなど、ナンセンスなんです。

ドリンカーの救命曲線
http://www.sozo2.ac.jp/wecan/nurse/sinpai_01.htm
画像


10分心停止が続いたら、脳は死ぬ。
この事件では、まず確実にそれ以上の時間が経過していたことは明かです。つまり、もう死んでいる。後は、その死亡を確認するだけ。
この事件では、その確認に齟齬があった、それだけの話です。

この事件での教訓は、マスコミの医療報道を信用するな、そしてそこに登場するような(自称)医療ジャーナリストは、実際はただのど素人なんだということを、一般の人達は肝に銘じておれってことでしょうか。
そして、是非、是非、救命処置の技術を身につけましょうと。

救命法
http://www.jlsa.jp/qq.html

なお、人工呼吸をしない、心マッサージだけの心肺蘇生法がベターである可能性が高いです。
日本における院外心停止の実体と新たな蘇生法
http://www.syg.co.jp/jcs_ps1st/index02.html

その実際。
「簡単・抜群 胸骨圧迫だけの心肺蘇生法」(市民のためのAED救命講習会)
http://www.sakakibara-hp.com/AED/AED_index.htm
posted by machiisha at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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