2008年11月28日

アスピリンに2型糖尿病患者の動脈硬化性疾患の予防効果があるか?

日経メディカルのオンラインに興味深い記事が載っていました。

2型糖尿病の日本人に低用量アスピリンを投与すべきか?
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/200811/508662.html

日本の研究でJAMAに載った。
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/300/18/2134

糖尿病は心臓や脳血管障害の強力な危険因子です。
で、低容量アスピリンを投与することで心筋梗塞や脳梗塞のような動脈硬化疾患を予防できるか、死亡率を下げられるかという研究をした。
-----(ここから引用)-----
 日本国内の163施設で、2002年12月から2005年5月まで患者登録を実施し、追跡は2008年4月まで継続した。

 対象は、アテローム硬化性疾患(心血管疾患、脳卒中、末梢動脈疾患)の既往がない30~85歳の2型糖尿病患者。2539人(平均年齢65歳、55%が男性)の患者を低用量アスピリン(81mg/日または100mg/日、1262人)もしくはアスピリン非投与群(1277人)に割り付けた。
-----(引用、終わり)-----

結論は、、、差はなかったようです。
-----(ここから引用)-----
 主要エンドポイントに設定されたアテローム性動脈硬化イベントは、計154件発生。アスピリン群が68件(5.4%、1000人-年当たり13.6)、非投与群86件(6.7%、1000人-年当たり17.0)で、ハザード比は0.80(95%信頼区間0.58-1.10、ログランク検定の p=0.16)と、有意差は認められなかった。
-----(引用、終わり)-----

ただ、「致死的冠イベントと致死的脳血管イベントを当わせた複合イベントは、アスピリン群1件(脳卒中)、非アスピリン群10件(心筋梗塞5件、脳卒中5件)でハザード比0.10(0.01-0.79、p=0.037)となった。」というように致死的な肝動脈疾患、致死的な脳血管障害はアスピリンで下げられた。
でも、「有害事象として、消化管出血がアスピリン群12人、非投与群4人、網膜出血はそれぞれ8人と4人に見られた。アスピリン群の4人は重症有害事象により輸血を必要とした。非投与群にはそうした患者はいなかった。」というように、消化管出血のような有害事象がアスピリンで増加する。
ラベル:健康 独り言 医療
posted by machiisha at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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