昨日、割り箸訴訟の、民事の地裁判決があった。被告側の完全勝利のようです。
その関係でしょう、朝ズバが長い時間を当てて放送していました。
今回も病院に出る前の慌ただしい中で見たというものですが、それでも内容は、報道とはとても言えない、ただのお涙頂戴のショー、それも二流、三流の全く下らないものだったというのはよく分かった。
報道番組ってのはどうあるべきなんでしょう?
間違いのない事実を、時間の許す限り詳しく、そして分かりやすく提示し、それに関係した専門家の解説や意見を、できれば複数付け加え、最後に少しは報道局の主張を入れる(これはキャスターに述べさせる)、こういうのが報道番組だと私は思うのですが、この朝ズバはまさにショーにしか過ぎない。それも先に書いたように低級なショー。
原告の家族の映像が少しはあってもいいとは思うが、これは最小限とすべきものでしょう。それを延々と流し続け、時々恨み辛みを述べさせる。さらにCMを挟んでも同じような映像を続けるってのは、いったいどうなっているのか。よほど時間を埋められなかったのか。
こんなのは、報道すべき「事実」ではない。
これは裁判事例の報道なんですから、報道すべき「事実」は双方の主張やその根拠となる証拠でしょう。これらは裁判を取材していたら入手可能なはずです。また判決文も視聴者に分かりやすく放送すべきものなのに、みのもんたがほんの少しだけ、申し訳程度と言っていいくらい述べただけ。それも、原告側に一方的に偏ったもので、とてもじゃないが、これでは「事実」とは言えない。
解説を加えるべき専門家も、呼ばれていたのが由井なんとかという「医療ジャーナリスト」。この手の番組らしく、この専門家なる人も医師ではない、いつもの「自称」医療ジャーナリストでとても専門家と言えるようなしろものではない。発言内容も素人そのもので「当時の医療水準では診断治療ができないから無罪にしたと判決で言っているが、この判決を他の一生懸命頑張っている救急医が聞いたら、がっかりするだろう」って、何をトンチンカンなことを言うのか、あきれてものが言えなかった。他に、弁護士らしい女性のゲストがいたのですが、この人も裁判の一般論を述べるだけだった。そもそも、どういう裁判かというのさえこの人は知らなかったのでしょう。
そして、最後にみのもんたが「素人でも割りばしが脳にささったって思いますよね」って、思わず「アホか!」と言ってしまった。この事例がどれほど希なものなのか、どれほどあり得ないことが重なったものだったのかというのが分かってない、まさにど素人のタワゴトです。
これで報道番組と言えるのか?
こんな番組が成り立つ国、日本。
先が思いやられる。
2008年02月13日
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