2007年05月03日

大淀病院事件>ネット言論の圧殺3

このエントリーを続けます。
どうも裏で大きな力が蠢いているような感じがしています。こういうのは陰謀論になってしまいそうで気をつけないといけないので、ここで事実の整理とそこから推測されるものを書いてみようと思います。

まず、毎日が報じたこの記事から。
既に元のソースは消えてしまっているので、私のブログにリンクしておきます。
https://machiisha.seesaa.net/article/200610article_4.html
意識不明、6時間“放置” 妊婦転送で奈良18病院、受け入れ拒否 脳内出血死亡(06/10/17)

なお、これはどうも一番最初の記事のようで、毎日はすぐに「6時間“放置”」というのを消しています。
どうもこうなったようです。
分べん中意識不明:18病院が受け入れ拒否…出産…死亡
これは2chにコピーされていたもので、実際こうであったのかは分かりません。
最初の「6時間放置」というのは、毎日が配信しm3.comが加入者に公開しているもので、それを私が保存していたものです。
とにかく、毎日が、「6時間放置」というのを、「まずい」と判断、それも即座に判断したというのは間違いないでしょう。

この後、他の新聞が後追い記事を出し(例えば朝日、これを私は最初に見た、https://machiisha.seesaa.net/article/200610article_2.html です)、これにさらにテレビの報道番組やワイドショーが追随する。
そのむごさ、下劣さと言ったらなかった。
医師の「ミス」というのをことさらあげつらい、さらにこの亡くなった妊婦さんの夫の泣く画面を出したり、さらに遺児の笑顔とか亡くなった妊婦さんの遺影を映すとか、大衆の涙腺に訴えるという典型的なテレビショーと言えるものだった。

ただ、毎日はそれが本音かどうかは分かりませんが、周産期医療の貧困さを訴えるのが主目的であったと言っています。
既に元記事は消えてしまっているので、インターネットにあるキャッシュにリンクしておきます。
http://megalodon.jp/?url=https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/weblog_eye103/details.php%3fblog_id%3d254&date=20070501145012
-----(ここから引用)-----
記者の目:「次の実香さん」出さぬように=青木絵美(奈良支局)
◇「人と予算」伴った対策を--医師だけを問責するな
 奈良県大淀町立大淀病院で今年8月8日、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(32)が、19病院から搬送を断られた後、大阪府吹田市の国立循環器病センターで男児を出産し、8日後に亡くなった。私は取材を通じ、出産前後の医療システムについて考えさせられた。「財政難」を理由にその整備を怠ってきた奈良県と、深刻な医師不足で激務を強いられている医療現場双方が、「次の実香さん」を出さないよう、今こそ「人と予算」の伴った対策をとるべきだと言いたい。
-----(引用、終わり)-----

確かに、最初の記事でも「県外搬送常態化」という部分に多くをさいていますが、タイトルに大きく「意識不明、6時間“放置”」と書けば、内容をよく理解できない多くの者が医師がヘマやったととってしまってもおかしくはないと思います。実際後の展開はそうなったんですから。
さらに、内容にも、後で明らかになった嘘があります。その嘘は、特に医師のミスを強調するものでした。
「当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。」と、この記事にはないのですが「19病院たらいまわし」などです。
この2つも、先の「6時間放置」と同じく、後になって、毎日は事実と異なるということを認めています。
内科医がCT検査を進言というのは、家族がCT検査をしてくれとすがったとかいうのに変わり(内科医がCT検査を進言したということのニュースソースを毎日は明らかにしていません、つまり捏造の可能性もあると)、そして19病院たらいましというのは、最初の6時間放置というのと同じく、こそっと消してしまい言わなくなった。後になって、これも家族から見たら結果的に放置されたというのは間違いないとかいう、弁解にもならないような弁解をする始末です。
https://machiisha.seesaa.net/article/200704article_7.html
-----(ここから引用)-----
 砂間裕之・大阪本社社会部兼科学環境部デスク 国立循環器病センターに運び込まれるまでの6時間について、“放置”という表現を使いました。その間、何も処置されなかったという遺族の強い思いがあり、事実関係としても19病院に搬送を断られ、遺族から見れば、結果的に放置されたというのは間違いでないと思います。一方、「たらい回し」は事実と異なり、東京本社の一部紙面でそういう見出しになったのは不適切だったと反省しています。
-----(引用、終わり)-----

問題は、なぜそういう取り上げ方を、毎日新聞あるいはこれを書いた記者(青木絵美と言うらしい、今や有名人です)がやったのかということになります。
私は、遺族側(弁護士)との取引があったのではないかと推測しているのですが、、、
マスコミを使って世論に訴えかけて病院や設立主体である町に圧力をかけ賠償金を取ろうという思惑と、スクープを取ってやろうという記者とそれで売り上げを伸ばしたいという新聞社です。

そして、今回、今頃になって出てきた「診療情報漏洩」問題。これは一体何なのでしょう?
そもそもこの診療情報は既にマスコミに出回っていたものではないかと、私は不思議でなりません。遺族側は、マスコミに出したのは看護記録だけだと言っていますが、どうもカルテもマスコミに出回っていた可能性が出てきています。
例えばここにその可能性を指摘するブログがあります。例によっていつも訪問しているYoshanさんのブログです。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070503
10月末には既に読売新聞はカルテコピーを得ていた、それも家族から提供されて。
http://www.honey.ne.jp/~yosyan/image/Nara_yomiuri.pdf

とにかく、なぜ今頃、それも唐突に「診療情報漏洩」などという問題を持ち出されて来たのか、それをまたマスコミが大々的に取り上げだしたのは、どうしてか?

あのm3.comにもたらされた情報(これは今回、遺族側が訴えるぞという脅しをかけていることからも、事実に基づくものでこの情報が真実だということを遺族側も保証したということになります)から、最初マスコミが盛んに報じた「放置」や「内科医のCT検査進言」、さらに「たらいまわし」問題などが、真っ赤な嘘だということが明らかになりました。つまり医師側にミスはない、それどころか、あの重篤な状態の妊婦から結果的に胎児を助けることさえできたということは大淀病院という限界のある医療機関の中でよくやったとさえいえるということが明らかになりました。
m3.comでは、この情報を元に、多くの科の医師たちが、それこそよってたかって検討を加えたのです。
例えば、マスコミは、担当医が脳内出血を子癇と診断ミスしたとさかんに書き立てましたが、そうでない可能性もあること(子癇には高い確率で脳内出血を合併することがある)、CT検査をして脳内出血が分かったところで、結果はちっとも変わらなかった(妊婦の脂肪という現実)ことなどなど。
こういう事実が、m3.comから外のブログと言わず、掲示板と言わず、多量に流れ、ついにはマスコミはこれにだんまりを決め込むようになります。医師のミスというのは全く言わなくなり、さかんに周産期医療の貧困を言い出します。

これで困るのは誰でしょうか?
この「困る者」が、今度の「診療情報漏洩」を企んだ張本人だと、私は推測します。医療側の、事実に基づいた反論を、別の手段、つまり個人情報保護法のようなものを使って抹殺しようとしている、それもマスコミを使って。
そして、私はこれに毎日新聞も一枚かんでいるのではないかと、これは邪推かもしれないですが、そう睨んでいます。
m3.comにもたらされた情報が事実であり、それが広く国民に知れ渡れば、最初マスコミが大々的に報じたものが真っ赤な嘘だったということになるのですから、それをなんとか封殺したいと思ってもおかしくはない。

やり方は汚い。はっきり言って非常に汚い。
ですが、確かに有効ではありました。
実際、m3.comでは、前のエントリーにも書いたように、メッセージは削除された。
ネットと言っても言論の一つだと思うのですが、既存の言論機関には煙たいものなのかもしれません。それを圧殺することで既得権益を守ろうとする。官僚と言わず、民間と言わず、こういう例はたくさん転がっているようだ。マスコミのその例に漏れないと。
本来なら、国民自身が真実を見る目をもって、そういうものを排除していかないといけないのでしょうが、あのあるある捏造問題でも見られたように捏造に簡単に飛びつき納豆が無くなってしまうような国民ではどうしようもない。
残念ながら、日本というのはこういう国でしかないということでしょう。
posted by machiisha at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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