2006年03月13日

産科医逮捕関連>茨城県医師関連団体の抗議声明

福島県の産婦人科医が逮捕された件ですが、ついに起訴されました。
私も「支援するグループ」に入り、抗議声明(http://medj.net/drkato/)に名前も連ねました(http://medj.net/drkato/808_0313_1645.html)。しかし、ついに起訴されてしまった。まことに残念と言わねばなりません。
担当検事が起訴した理由をマスコミから集めたブログがありました。
http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/03/post_b09b.html
(法曹の考え方のところ、以下コピーさせてもらいました)
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福島地検 : 片岡康夫次席検事
「罪証隠滅の恐れがあり逮捕した。血管が密集しているところを無理にはがした。大量出血は予見できたはずで、予見する義務があった。判断ミスだった」と起訴した理由を説明した。医師法違反罪については「通常の法解釈をした。大量出血しており、異状死にあたる」とした。 ( 読売新聞 2006.3.10 )

「手術ビデオや心電図記録、遺体がなく、関係者の証言が最も重要な証拠だったため、身柄を拘束して正直に話してもらう必要があった。口裏合わせの恐れもあった」と証拠隠滅の可能性を指摘する。 ( 毎日新聞 2006.3.11 )

「術前で『付着』に気づいた時点で罪に問うているわけではない。手術中、手ではがれなかった時点で子宮摘出に移行すべきだった」とする。
医師法違反の罪について、片岡次席は「大量出血すべきでない状況で大量出血しており、過誤に関係なく、異状死と認識できる」とした。「異状死」について定まった定義はないが、「判例や実務でとらえられている通常の法律解釈に基づいて異状死と判断した」と述べた。
医療過誤事件としては異例の逮捕に踏み切った理由について、片岡次席は「遺体やビデオなどがなく、関係者の協力が不可欠な状況で、真実を見極めるため、身柄を確保した上で話を聞く必要があった」とした。 ( 毎日新聞 2006.3.11 )

「はがせない胎盤を無理にはがして大量出血した」とした上で、「いちかばちかでやってもらっては困る。加藤医師の判断ミス」と明言。手術前の準備についても「大量出血した場合の(血液の)準備もなされていなかった」と指摘した。 ( 読売新聞 2006.3.11 )
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これを読んで、ほんとに腹が立ってきた。
専門外の私でも全部に反論できる、それほどおかしい。

専門医による反論はいろいろなところでなされていますが(以前紹介した「ある産婦人科医の独り言」http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/など)、公的な団体の抗議声明も出ています(神奈川産婦人科医会http://www.kaog.jp/)。
最近では、茨城県の産婦人科医会、学会(産婦人科の会には医会と学会があるらしいです)と医師会が連名で抗議声明を出しました。
http://www.ibaog.jp/topics/20060310.html
ここの反論が詳しい。
できれば、皆さんも読んでください。

この逮捕、起訴はあまりにも不当です。
そして、こういうことを放置しておけば必ずや日本医療が崩壊するでしょう。
どこでも(田舎だろうが都会だろうが)、誰でも(金持ちだろうが貧乏人だろうが、権力者だろうが庶民だろうが)、ある一定水準以上の医療(アメリカでは大金持ちは世界一の医療を受けられるが、公的保険にさえ加入できない貧乏人の受けられる医療はひどいもんです)を受けられるという今の日本の医療(WHOによって世界一と言われている)をが崩壊してしまう。
今でさえ、小泉内閣の低医療費政策でがたがたになってきているのに、です。

医師ばかりでなく全ての人が声をあげて欲しい。
ラベル:医療
posted by machiisha at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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